フライを始めて、(友人にライズを譲ってもらって)初めてサカナを釣ったのが板取川でした。

15〜6cmの小さなアマゴでしたが、パーマークと赤い点々が印象的で、グレーの精悍なボディと相まってとても綺麗な魚体にしばし見とれていました。
友人のH君がやきもきしながら「逃がしてあげないのか?」と僕に声を掛け、僕は少しあわてて「逃がすよ。見とれてたんだ。」と返したのを覚えている。
その日は、結局1匹しか釣れなかったけれど、まぶたの裏側にいつまでもそのアマゴが泳ぎ続け、僕を不思議な気持ちにさせた。
初めてアマゴという渓流魚を釣った川、板取川。
場所は、川浦(カオレ)谷の大ツゲ谷の出会い辺り。今でも不思議に覚えているのは、よほど印象深かったのだろう。
それからというものの、釣りに行くといえば板取川がほとんどで、馬鹿の一つ覚えの用に通い続けた。
仕事柄、土日よりも平日が休みになることが多かったので、かの友人H君ともなかなか休みが合わずにもっぱら単独で渓へ行くことがほとんどであった。
渓へはリュックを背負って行くのが常で、お昼は川の水を沸かして作ったラーメンかカレーライスが定番だった。
ストーブはコールマンのピークワン・ガソリンストーブを愛用した。
今はそんな気になれない(クマとか鉄砲水がコワイので)が、切り立ったゴルジュ下の小さな河原で昼寝をし、一人の時間を満喫したこともあった。
最初に行った平成7年から約10年は毎年欠かさず釣行し、一時期は年券も買っていたのに、ここ3年間は一度も行った記憶がない。
足が遠のいたのはイヤな事件が二つほどあったからで、一つは川浦谷の支流、西ヶ洞(にしがぼら)にダムを作る工事が始まったことにより、不釣り合いに拡張された立派過ぎる道路(以前はクルマ1台がやっとという砂利道だったのに)が渓のかなり上まで延々と続き、そこへ巨大なダンプカーが押し寄せたこと。
もう一つは、年券を購入したはずが、知らぬ間にくすね盗られていた(真相は不明だけど)かのようなイヤな思いをしたことだった。
そんな事から足が遠のいてしまったのだが、来年は久しぶりに足を運んでみようかと思う。良くも悪くも川がどう変わったのかも見てみたいと思うし・・・。
ところで、山奥の渓へ巨大なダムを造った中部(地方の某)電力ですが、最初は「調査」という名目で工事を始めるということを記しておきます。
普通、調査といえば地理的にどうだとか、地質、気候や生息している動植物などへの影響とかを調べるのかと思いきや、あらかたの準備を終えるまで工事を進めるのが調査なのである。
大きな道を造り、山の中腹にダンプカーがすれ違うことが出来る(これまた巨大な)トンネルを掘り、次から次へと資材を運び込むのである。
そうして、調査(という名のこの本格的な大工事のどこが調査なのか、まったくもって不明な)工事というのは、始まったら最後、完成するまで決して止めないのである。
田舎の雇用が確保されるのは良いかもしれないが、往々にしておこる村を二分する賛成と反対の運動によって、そこに暮らす人々が疲弊してゆくのが僕のようなよそ者にも伝わってきたのでした。
当時、村内の道のあちらこちらに「ダムはいらない」とか「出て行け!○○電力」と書かれた看板が建っていた。
posted by チュン at 01:37| 岐阜

|
Comment(2)
|
TrackBack(0)
|
フライフィッシング
|

|